2012年8月31日金曜日

去年のデトロイト日記




去年書いたデトロイト日記が見つかった!面白いのでここに記しておく。

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デトロイトにっき


初日:朝8時のバスで出発。奇跡的に全員集合。フィリーまで行って、空港で車を借りる。レンタカーサービスの胸焼けする営業スマイルに後押しされ、いざ出発!旅の途中で寄るコンビニほどテンションがグイっとあがるものはない。途中で食べたクッキ&クリームカップに感動。マッカとゆきこさんの二人が交互に運転してくれた。イギリス人のマッカはアメリカで運転するのがはじめてで、ゆきこさんは久しぶりで運転忘れたと言っていたけど終止スムースで無事故!私はとにかく運転手がイラっとするほどスヤスヤ寝ていたと思います。途中でお腹が減ったのでファミリーレストランに。サンクスギビングデーということで、おいしいけど、すべて味が濃いので喉がカラカラに。でも地方のダイナーは子供の頃思い描いていたようなアメリカがまだ存在しているので、雰囲気自体が異次元でおもしろい。真夜中にホテルについた。サイコちっくな受付のおじさんとちょっとだけ揉めつつ、無事部屋に通される。二つ星ホテルと聞いていたので少々びびってたが思ってたより全然よかった。この日は就寝。


朝から、ボブというおじいさんの家にレコードを見にゆく。レコードショップを閉め、それをストックした膨大な量のレコードを見せてもらった。とにかくいたるところに箱が積まれていて、どこから手をつけていいかわからない。そしてとにかく散らかっていてものすんごく汚い。トイレは今まで見たことのないくらい全体的に茶色く汚れていた!普通の女子は気絶してしまうだろう。そしてレコードを見てると後ろのドアから次から次へと違うおじいちゃんが絶え間なく登場してくる、おじいちゃんハウス。とはいっても、レコードコレクションはそれはもう素晴らしく、ずーっと見ていたかった… 今まで見た中で一番すばらしく、ニューヨークで自分が見てたのは一体なんだったんだろうと思うほど、見たことのないものがたくさんある宝箱だった。絶対にまた行きたい、今度は2日くらい朝から晩まで入り浸ろう。ソファーに腰掛けていたので最後の方は背中全体がかゆくなるというボデーの反応もあった。ダニかもしれない。

お昼を食べてから、噂のPeople's Recordsへ。ここのブラッドという人にはずーっと昔2回くらいChairman MaoのBump Shopで話したことがあって、それからずっと来てみたかったので念願がかなってとても嬉しかった。オーガナイズされていて、アルファベット順、ジャンル順にならぶ45のカラフルな箱たち。きちんと愛情があふれているお店という印象だった。馬鹿みたいに高いものはなく、コンディションが価格に反映しているのもフェアである。閉店間際まで居すわる。

デトロイトで見れたのは二つだけだったけど、それでもものすごい収穫だった。次回は丸3日ほど絶対必要だ!夜はデトロイトネイティブのマットに教えてもらったRedcoat Tavernに行く。3、40分待ちだったので向かいにあるすごい見た目のアイリッシュバーへ。ご飯は最高に美味しかった!どれも3割くらいニューヨークより安く感じた。かむいも言ってたけど、お金を払うならやっぱり納得いくものが食べたいと思う。ここはぜひまた戻ってきたい!

次の日は、朝7時にホテルを出ていざピッツバーグへ。時間ないかもーと思ったけどJerrysへ無事到着!2時間ほどしかなかったけど、とにかく手元にボックスをピックアップしてひたすら見る。疲れていたので、すごい量の45にあまり感動する余裕もなく、右から左へと事務的に見てしまったのが残念。もっとエナジーがあったらよかった。レアではないけど探してたタイトルをアーティスト別に見つけて、嬉しかった。次回は元気いっぱいで準備万端でフルに楽しみたいな!

2012年8月28日火曜日

8月27日 暑い、でも夏の終わりの暑さ


金曜日はDonna。新しいレコードがいっぱいで、マッカもオスカーもモリーもクリスも来て、たくさん「いいね!」という声をかけてもらったのでひさしぶりにすごく楽しいDonnaだった。少しずつ戻って来てくれるお客さんも見かけるのでここで辞めるべきか迷う、、、一つのところで続けていくべきという気持ちと、なあなあになっていて自分達が楽しめないなら今すぐやめるべきという気持ち。うーむ。そのあとどうしてもお腹がすいたので駅前のメキシカンレストランに。いっつも見向きもしない田舎臭いレストランだったけど、食事はおいしかった!

土曜日はサンプルセールの手伝い。ぼちぼち。立ち仕事のつらさを思い知らされた、、そして、買い物するときに皆意外に他人の意見を聞きたいんだな、ということ。私は店員の人がある程度ヘルプフルで愛想がよくあってほしいだけで、色々と言われるとめんどくさいのでそれは意外な発見だった。「何にあわせたらいいのかな?」という質問もかなり多かった。自信がある風にアドバイスするだけで、結構信用されるということも。

そのあと、誕生日会に出かける支度をして歩いていたら、あきろうさんの床屋の前に人だかりが。さよならのセレモニーだった。あきろうさんはカシミアで働いているときに、毎日のように来ていた日本人のお客さんだった。いつもろれつが回らないくらいにクサを吸ってやってきて、お酒をのんで、それでも明るくてみんなに愛されていた。あきろうさんが亡くなったのは火曜日だった。セレモニーにはみんなが集まっていて、あきろうさんの若いときの遺影を見ると涙が止まらなかった。すごく親しくしていたわけではないけど、その遺影の若い姿がよけいに心を苦しくさせた。外ではヴィンセントがふざけていて、それに救われた。





誕生日会は大成功。これほど幸せを心から噛み締められることってあるんだね、と思うくらい心のそこから楽しかった。ゆきこさんと、「しあわせだね〜」とずっと言ってた。皆の笑顔、ダンス、笑い声、話し声、音楽、すべてがパーフェクトに調合されて、すばらしい夜だった。記憶に残る一晩。




日曜日の夜はえりちゃんの家のルーフトップにお邪魔。皆で数時間しゃべって、おつまみとデザートを食べて、30分くらい駅まであるいて帰った。夜がどんどん過ごしやすく、涼しくなってきた。夏もおわりってことね。

まわりの人たちへの感謝が自然と湧いてくるような、デトロイト明けのいい週末だった。これからは、自分が心から愛する人たちのことを大切にしていこうと思った。それ意外のことはたいして気にしなくてもいいことだと思った。

2012年8月25日土曜日

8月24日 晴れ、休日明けのふわふわとした気分


ぜんぶ、ぜんぶ記憶の中にとどめておきたい。

けむりがモクモクとのぼるJeanバーや
アンディーのジョークや声、
スコットがかけたInner CityやHerp Arpertのビデオ、
車の中でぼんやりとしながら聴いていたMatthew Wilderや
Head Coachのシルキーのやさしい顔、
家族に混じったようなLuigiのピザ、
まぶしく回るメリーゴーランドや
Eddie'sのおいしい誕生日ステーキ。
パチパチと枝がが燃える音をずっときいていたキャンプファイヤー。
不思議な気もちで目覚める、ソファー。

胸がきゅんとなる。
いつもの週末やいつもの景色に
とけ込むようにして流れていった
デトロイトの毎日。
目をつぶったら、広がる景色と友達の顔。
こんなにニューヨーク意外の街を好きになるなんて。
あの街で今日も一日を当たり前に暮らしている、
そんなことを考えるだけで心が暖かく、笑顔になる。

また会いましょう、その日まで。

2012年8月17日金曜日

8月16日 晴れ 久しぶりにあつい




ついについに!
デトロイト行きが明日にせまった。
もう楽しみすぎて何がなんだかわからない。
昨日も眠れなかった!
とりあえず忘れ物のないように。
健康に、安全で!
楽しい旅になりますように。


ー今日なんとなく思った事。

私はレビューで育ったんだなぁということ。
中学生や高校生のとき、音楽雑誌で新譜のレビューは
自分が買うか買わないか、ほとんどを左右する
とても大事な教科書だった。
今みたいにyoutubeで事前に聴けるとか
リリースされる前にリークして聴けるとか
そんなのはまったくなかったし
私は寮に住んでいたのでインターネットのアクセスもほぼなかった。
ラジオもなかった。
だから、「この人がこれをすすめている」
「私これ好きそうかも」
「こんなんだったら聴いてみたい」
というライターが書いた批評を読んで、その感想を頼りにCDを買ってた。
中学生や高校生にとって2480円を払うなら、
失敗は許されないので真剣だった。
「こんなに素敵な文で表現できるなら、
きっといいものだな。聴いてみたいな。」
と思うレビューは、自分に関係ないジャンルでも
興味をそそられて、買ってみたりした。
今もそのくせが身に付いていて、
雑誌でも音楽・本・映画・レストラン・美術館
レビューを一番先に見つけて読んでしまう。
今は誰でも好きなように自分の好みで点数をつけてしまうことができるけど、
私が十代の時よんでいたそれは、限られた人だけが発表できる
権威のあるものだった。
自分が音楽ライターになりたい、と思うゆえんはきっとここにあるんだ
となんか今日やっぱりふと確信した。

2012年8月11日土曜日

Take me with you




誕生日が来た。
いつも改めて特別考えないようにしているけど
昨日の夜眠りにつこうとして、色々振り返ってみた。
26歳は、いい音楽にもいっぱい会ったし、
良い人たちにいっぱい会えた。
悲しいことやうまくいかないこともいっぱいあって、
くよくよしたし投げやりになった事も
1度や2度ではなかった。それを含めて
今はいい状態で27歳を迎えることができていることが
シンプルに嬉しいとじんわり感じながら
雨がふったあとの、透き通った冷たい空気を吸った。
私を変えたあの出来事やあの時間、あの人。
ありがとう前に進むよこれからも!
これから出会う試練や感動に、
おびえて構えながらも、わくわくしながら。



Here comes August 6th. 
I usually try not to make a big deal out of my birthday
and being away to make resolution and what not. 
But last night, I looked back how was my 26.
I found some great music, encountered amazing people,
and had more than once of sad moments and desperate times.
But overall, I found myself very happy, and be abled to
welcome my 27th in good, decent condition. 
That simply made me realize how lucky I am, put smile on my face.
Breathing the chilly and clear night breeze after the rain,
I could not just stopped dreaming about 
what's coming this year.
Just go forward, no matter what.
Excited and little bit scared of 
great challenges and people, music, places, that I haven't met yet! 
See you soon. 

2012年8月1日水曜日

7月31日 もう夏終わりなわけないよね?涼しい。




金曜日は仕事あとにマキさん&たいしさんの家へ!ひっさしぶりのまきさん。蕎麦屋で働いていたときいっつもお母さんみたいだったので、久しぶりに会えておつまみを食べながら話してとても優しくなつかしい気持ちに。そのあとは、名残惜しくマンハッタンのBotanicaへ。アサーフとWells兄弟がDJしてたので、絶対に行きたかった。オスカーとモリー、クリスも来てまた遅くまで踊ってすごく楽しい夜だった!色々なジャンルがかかっていてどれもほとんど聴いた事ないのに、すべてかっこよかったなぁ。いい音楽ってまだまだ世界中にいっぱいあるんだ、と思うとその途方もなさにワクワクする。



土曜日はすっごくだらだらした一日。夕方からウィリアムズバーグに出て、あやGさんからスチームクリーナーを買う。そのあとアカデミーに行って何も買わずに出て、ジェレミーがMoonrise Kingdomを見たいというので見に行った。デート中のアサーフにばったり会って面白かった。映画は途中すっごく眠くなったけど、どこで一時停止してプリントしてもきれいな写真集ができそうな、本当にかわいい世界感だった。カメラには写らないような遠くの遠くのディテールまですっごくこだわり抜かれていて、総合してギュッと凝縮したWes Andersonの美学を堪能できる。ストーリーは抜きにしても、ビジュアルとキャスティングが成せる最高のキングダム。



日曜日はもうすぐ帰るりょーへいくんと焼き肉たかしへ。その途中でエディスリマンを見かけて大興奮!!!ずっと飛び跳ねたいくらい嬉しかったけど、焼き肉を食べたらそのことをほとんど忘れていた。そのあと、ぶらぶら歩いて結局エンパイアステイとビルディングまで歩いて、のぼって、夜景を見た。何度このビルにのぼったかわからないけど、キュンとする気持ちがするのはいつも変わらない。遠くの遠くまで目を凝らして見つめて、デトロイトの友達やポートランドの友達のことを想った。ニューヨークだけが、非現実的な空間に浮いている大きな泡みたいで、不思議な気持ちになった。家に帰って就寝!その前にFacebookを見たら、Big City Recordsがなくなるというニュース。。大げさにも通いつめたレコード屋とは言えないけど、それでもイーストヴィレッジからレコード屋がひとつなくなるのはとても寂しい。もしA1がなくなったらと思うと、心が引き裂かれるような思いだ。大げさに聞こえるかもしれないけどレコード好きにとってレコード屋はそのくらい、自分の音楽人生と密接した大切な関係を持っているんだな。