ファッションにかかわる仕事をしているけど、私の目線はいつも消費者だと思う。買い物が単純に大好きで、そこにプロとしての分析や思考はなく、ただものを買いにお店をおとずれるのが好きだ。ある業界に長く居ると、そこで目が肥え経験を培うので、純粋な目線で自分のフィールドを見るのは難しくなる。音楽でもアートでもファッションでもそうだけど。私は基本的にアマチュアなので、ビジネスマンとしてとても中途半端で、普通に欲しいものを手に入れたいだけだから、「こういうものを作ったら売れるかも」とか、戦略的な考えにとてもうといので、消費者サイドだ。
だから、消費者の意見として、お店はとても大切だと思う。中学生のとき、ファッションに興味を持ち始めて、自分で住所を調べて行ったお店やそこに置いてあるものに感動したことや、店員さんの服をたたむ姿、初めて憧れのお店で買い物したとき紙袋やステッカーを大切にとっておいたこと、人はそういう気持ちを忘れない。全部記憶として残っている。お店は、すべての場所がひとつの大きなプレゼンテーションだ。だから、そこの場所が特別であると感じさせることがいいお店のあり方だと思う。
感動しなくなると、表現できなくなる。プロであるということは、そういう危険性もある。もちろんそれができない人はもともとプロではない。だから私はものを提供する場所でも、買い物のお客さんとしての気持ちをずっとずっと忘れずにいたい。となんとなく今日思った。
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