2012年9月6日木曜日

9月5日 雨




シニカルなジョークを言って
口も悪くて特徴的に笑うスコットは
きちんとした仕事してるのに思い切り遊んで、
頭が切れて、簡素なのにとてもおしゃれで、そしてものすごく良いDJだ。

スコットとの出会いはデトロイトの中でも忘れられない出来事のひとつ。
アンディーからすばらしいDJというのは前回の旅で聞かされていたけど
今回は毎日遊ぶ事ができて、頭に地響きをくらうようなインパクトを受けた。
スコットのかける音楽はディスコだしテクノだしロックだしサイケだし、
フォークでエレクトリックでディープ。
それなのに、飛び散らからずに筋がとおっていて
パワフルでハングリーではらわたをがしっと掴まれるような。
王道じゃなくてどこかが変。
パーフェクトではなく、埃ぽくてどこかがねじれている。
普通とは違う不思議で野性的な感覚。
あの狐につままれたような非現実的な感情になる音楽を
たくさんたくさん教えてもらった。
短い時間で色んな世界に連れてってもらった。
存在をインターネットから隠して
ただただ地元の深い場所で音楽をかけていて。
求められているものを提供する「ジュークボックス」DJではなく
その場の雰囲気を壊してでもスタイルを崩さない。
そしてそのスタイルはとんでもなくかっこいいから、
みんなは納得する。踊り始める。

みんなが帰った後ゆきこさんと3人で、
スモークとプラネタリウムよりもエレクトリックな光の中で、
“疲れる”という感覚もなしにずっと踊っていた。
あのときはそれが一番自然なことだった。
充分長いのにこのままずっと終わらないでほしいと思う音楽は、ある。
古い音楽が大好きなゆえに無意識に狭まっていた趣向の風向きが、
少しだけ変わったかもしれない。

好きなものを、とことん愛そう。
必要ないものにはそっぽを向こう。
止まらずに探し続けよう。
長い旅だ、おちついてゆっくりと。
怖がらずに前へ。

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