2012年10月26日金曜日

10月25日 くもり




ここ数ヶ月間の間に身の回りで誰かの死や病気の話がたて続けにあって、自分の日記を悲しいニュースで染めたくなかったので書こうか迷ったけど、これが現実に日常の中で起こったことなので記しておく。

昨日の夜DJ中にいきなり知らない番号から電話があって、出たら泣いている友達だった。ヒステリカルに泣いていて、混乱していて、クリスティーンが死体で見つかったと教えてくれた。私は日曜日だけレストランのブランチで働いていて、そこのオーナーだったのがクリスティーンだった。日曜日は他に働いている人は誰もいなくて、私とクリスティーンは小さなレストランで二人だけだった。

気難しくぶっきらぼうでアクセントの強いフランス英語で話すクリスティーンのことが、正直に言うととても苦手だった。何度も言い合いになったし、言語なのか性格なのかどうしてもうまくコミュニケーションがとれなかった。でも友達と話すクリスティーンはいつも楽しそうで、仕事のときと全然ちがった。ブッチの体調が悪くなったとき、まっさきに気付いて病院の手配などをしたのもクリスティーンだった。そういうところを見て、きっといい人なんだろうな、プライベートでは。と思っていた。でも私たちは確実に相性が合わなかった。

日曜日一緒に働いたのが最後だった。私がミスをして、クリスティーンが怒って、その怒り方に私が怒って、という日だった。最後はあやまったので普通だったけど、それが私が最後に見たクリスティーン。きっと昨日まで毎日のように忙しく働いて、一日を終えたはずだった。こんな日が来るなんてその瞬間まで誰も思わなかった。いきなり何かが取り上げられるということ。予期しない波がさらった後の景色はただ非現実的に見える。地震や事故でそんな思いをした人たちの絶望感を想像しても、今の私にはとにかく信じられないという言葉しか出ない。本当にあったことだと思えない。いつもの景色は変わらないのに。今日最高の日を過ごす人、死にたいと思う日を過ごす人、病気に気付く人、つまならい一日を終える人、みんな同じ世界にいる。不思議に思えて仕方ない。どうか、安らかに眠ってください。

0 件のコメント:

コメントを投稿