2010年3月14日日曜日

morning dizzy


明け方眠ったのに、朝8時に目が覚めてしまった。
考え事のサイクルにはまっていきそうだったので、
これはよくない、頭を切り替えようとランプをつけて読書をする。


村上龍の内容が難し過ぎたので、吉本ばななの「バナタイム」に変えた。
音楽といっしょで、気分がのらないと、本も変えるべきだ。
この人の文章は、無理が無く、透明で、まだ完全に起きてない脳みそにもやさしい。
すてきなフレーズがあると、必ず一度本と目を閉じて、頭の中で繰り返す。
そうすると、言葉がゆっくりと、身体に染み入る気持ちになるから。


かれこれ数ヶ月か、長い間、辛い時期が続いた。
原因ははっきりしていたし、解決策もひとつだった。
そのときは普段のプラス思考もまったくもって役立たずで、
常に悩みの延長線の上で日中色々なことに心を駆使していて、
早く夜になって眠ってしまいたいといつもそれだけを考えていた。
そんなとき、ベッドの上が唯一の自分だけの世界な気がした。
夜眠るとき、はしごを登ってベッドにたどり着き、天井とマットレスのすきまに
身体を滑り込ませたら、誰にも見られずに泣くこともできるし、
次の日にどうポジティブに生きるかをゆっくり考えることもできた。
とにかく、ベッドの上で、深く安心したものだった。


今そのベッドで、本を読んで、ヨーグルトを食べている。
遠くのすごい音の雷を聞きながら、
原マスミさんの挿絵をじっくりと見ている。
どの絵にも吸い込まれそうな瞳がうつっている。

とても大切にして生まれて来た、無駄のない言葉。
簡潔で、正直で、人肌の温度だ。私もそういうものが書きたいといつも思う。

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